こんにちは。あずはなの飼い主です。
先日「平成犬バカ編集部」という本を購入し、約1週間かけて読んでみたので、感想を書いてみたいと思います。
自分は編集部物が好きなので、楽しめる確信は購入前からあったのですが、思っていたよりも実りのある読書体験となりました。
目次
「平成犬バカ編集部」ってどんな本?
日本犬専門雑誌「Shi-Ba」という雑誌があります。
柴犬と生活している人であれば、購入したり、立ち読みしたことがあるという人も多いでしょう。
自分は根っからの本好きというか、本屋へ行くのが大好きだったのですが、黒柴あずきを飼うまでは、その存在を知りませんでした。
「Shi-Ba」は柴犬をはじめとした日本犬の情報誌というか、ちょっとおバカな企画なんかも乗っている不思議な雑誌です。
コスプレ企画なんかもあるから、人によっては敬遠してしまうタイプの雑誌でしょう。
自分は、割とウェルカムです。
今回ご紹介する「平成犬バカ編集部」は、その日本犬雑誌「Shi-Ba」の物語です。
発刊の経緯やこれまでのエピソードが描かれれている、ノンフィクション。
主人公は初代編集長とその愛犬といったところでしょうか。
まず、「良いな」って思ったのが発刊の経緯。
「自分の可愛い愛犬を紹介したいから」。これがそもそもの動機という点です。
すごいよくわかる。そもそも自分がTwitterやったり、ブログ書き始めたのも「あずきや花の素晴らしさを世に知らしめたい」なんてところが発端だからです。
主人公の初代編集長も、犬を飼うのははじめてだったようで、それも30代を半ば過ぎてから。
ある程度大人になって、生活に変化がなくなってきてからはじめて犬を飼うと、やっぱりハマってしまうんでしょうね。
それだけ犬との生活はインパクトがあって楽しいのです。
作者は「ゼロ!熊本市動物愛護センター10年の闘い」などの著者である片野ゆかさん。
片野ゆかさんの本ははじめて読みますが、ノンフィクションど真ん中っていう感じの硬派な文章だなと感じました。
真摯に動物問題に取り組んでいるんだろうなというのがわかります。
ただ、この本は文章が硬派だから退屈というわけではありません。
登場する人たちが愉快な犬バカたちなので、そのエピソードと硬い文体がほどよくマッチしています。
トータルで300ページくらい。
お風呂場でとか、娘のSがテレビに夢中になっている隙にだとかを使って読んだので読了まで丁度1週間かかりました。
「平成犬バカ編集部」で犬の歴史や社会問題をあらためて知る
「Shi-Ba」の歴史と、編集者たちとその愛犬の物語が中心であはりますが、読んでいると所々で、日本における犬の歴史だとか、社会問題のような話が登場します。
多分、著者が「平成犬バカ編集部」を通して伝えたかったのは、主にここなのかなって感じました。
しつけの話であったり、ペットビジネスの闇についてだったりが、随所に出てきます。
特に引き込まれるのが、犬の高齢化やそれに伴う介護の話。
避けて通れない話が、目を背けることなく書かれていて、あらためて考えさせられてしまいました。
「平成犬バカ編集部」は一つの雑誌と一頭の柴犬の生涯の話(ネタばれあり)
「平成犬バカ編集部」には、「Shi-Ba」がどうやって作られているのか、一見くだらないと思われる企画の裏側などが描かれています。
「平成犬バカ編集部」を読むと、「Shi-Ba」がより楽しめるかもしれません。
そして「平成犬バカ編集部」は、雑誌創刊のきっかけともなった柴犬「福ちゃん」と、その家族の物語でもあります。
「Shi-Ba」は福ちゃんがきっかけで誕生した雑誌です。
「Shi-Ba」が創刊されたのは、2000年の初頭。「平成犬バカ編集部」が発刊されたのは2018年。
読み進めて少ししてすぐに気がついてしまいます。
「きっとこの本では福ちゃん」の死も書かれるんだろうな。
「平成犬バカ編集部」のラストは、福ちゃんの最期が中心となります。
認知症の初期症状が現れて、夜中に玄関の前でポツンと座る様子などが描かれたシーンでは、あずきや花のことを想像してグッとくるものがありました。
柴犬と少しでも楽しく暮らすために
「平成犬バカ編集部」を読んでいると、愛犬との生活を少しでも楽しくるする、そのきっかけ作りのために「Shi-Ba」はあるのかなって思います。
毎日の散歩だったり、お金のことだったり、そして介護や別れなど、犬を飼っていると大変なことって沢山あります。
でも、それらをひっくるめて、思いや情報や、ちょっと楽しく生活するコツなんかを提供しているのが「Shi-Ba」という雑誌なのでしょう。
思っていたよりもためになる、犬との暮らしについて考えるきっかけが増える本でした。
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